Group-Office 3.0を入れてみた

日本語化パッチ等が存在するのは2系なんだけど、最新リリースの2.18が2007年10月と古い(のと、日本語化パッチが微妙だった)ので思い切って3系を入れてみた。
一言で言うと別アプリのようだった。2系から3系へのアップグレードもサポートしているようなので互換性はあるんだろうけど、少なくともUIに関しては完全に別アプリ。Ajaxでサクサク動く。Google製品みたい。すげー。


ただ、UIがすごいのはいいんだけど、使い方がよくわからない。直感的じゃない。ヘルプも満足にないし。
よって十分に使いこなせてないので日本語環境で何か問題が起こるかどうかはまだわからないけど、今のところはこれといった問題は起きていない。メールも文字化けしてない。
UIは英語でも別にわかりにくくないし、言語ファイルになっているので各種en.inc.phpをコピってja.inc.phpを作ってやればいいと思う。


ライセンスはAGPL(GNU Affero General Public License)なので、いじって使う人は注意。
AGPLは一言で言えば、(例えばサーバ上でネットワークを介して)サービスとして提供されるような場合にもコピーレフトが適用されるというライセンス。
少し前までは「ソフトウェアを提供しているのではなく、ソフトウェアを使ってサービスを提供しているだけなのでソースコード公開義務はない」とかいう解釈があったりしてよく議論になってたけど、AGPLはこうした形態を想定したライセンス。

インストールしてみる

基本的には2系と変わらないので、2系をインストールしたことがある人は簡単にインストールできると思う。
Group-OfficeのサイトからSourceForgeのファイル置き場に飛べるので、そこからダウンロードする。

前準備

Apacheの設定はお好みで。普通にPHPが動けばよい。


データベースはインストーラMySQLのrootアカウントを指定すれば、ユーザからデータベースまで自動で作成してくれるようだが、なんだか怖いので自分で用意することにする。

GRANT SELECT,INSERT,UPDATE,DELETE,CREAE,DROP,ALTER,LOCK TABLES,INDEX ON groupoffice.* TO groupoffice@localhost IDENTIFIED BY 'パスワード';

このぐらいあればいいのかな。権限は何が必要なのかわからないけど、この手のアプリはインストーラがテーブルを自動生成したり、バージョンアップ時にテーブルを改変するので、CREATEとかALTERは必要。
INDEXは張ってるのか正直わからないけど、LOCK TABLESはないとエラーになった。

CREATE TABLE groupoffice DEFAULT CHARACTER SET utf8;

データベースはこんな感じ。
続いて必要なライブラリのインストール。

パッケージ名 用途
php5-imap メール機能に必要
libwbxml2-utils SyncXMLを使う場合(モバイルの同期機能)
tnef OutlookのTNEF形式添付ファイルを扱うのに必要らしい

※パッケージ名はUbuntu(Intrepid)でのもの。


時々c-clientが必要という解説があるけど、これはPHPで--with-imapをつけてコンパイルするときに必要なものなので、php5-imapを入れる場合は無関係。

sudo apt-get install php5-imap libwbxml2-utils tnef
インストール

前述のSourceForgeから最新版をゲット。

cd /usr/local/src
sudo wget 'http://downloads.sourceforge.net/group-office/groupoffice-com-3.00-stable-15.tar.gz'
sudo unzip groupoffice-com-3.00-stable-15.tar.gz
sudo mv groupoffice-com-3.00-stable-15 /var/www/groupoffice
sudo chown -R www-data.www-data /var/www/groupoffice

展開場所とかはお好みで。


続いてコンフィグファイルを作成。

sudo touch /var/www/groupoffice/config.php
sudo chown www-data.www-data /var/www/groupoffice/config.php
sudo chmod u+w /var/www/groupoffice/config.php

パブリックなファイルを置く場所を作成。
何を置く場所なのかよくわからないけど、ブラウザからアクセス出来る必要があるらしい???

sudo mkdir /var/www/groupoffice/local
sudo chown www-data /var/www/groupoffice/local

管理ファイルを置く場所を作成。
ブラウザからはアクセス出来ない場所が望ましい。

sudo mkdir /var/lib/groupoffice
sudo chown www-data /var/lib/groupoffice


ここまでできたらブラウザでアクセスするとWebインストーラが表示される。
データベースの部分で「Use existing database」を選択。
DB名やDBユーザ名は事前に用意したやつで。
「Create new database」を選べば、MySQLのrootユーザでもって勝手にやってくれる。


タイトルと管理者メールアドレス。適当に。
パスの設定。もしもおかしかったら修正する。
Protected files pathはさっき作った/var/lib/groupofficeを指定。
ユーザ情報とフォームの設定。適当。
新規ユーザのデフォルトアクセス権。適当。


地域の設定。デフォルトがオランダになってるので日本に合わせる。

項目 設定値 説明
Country Japan
Language English 言語。Japaneseはない
Timezone Asia/Tokyo タイムゾーン
Date format Year-Month-Day 年月日の並び順
Date separator / 年月日の区切り
Time format 24 hour format 時刻のフォーマット
First weekday Sunday 週の初めの曜日
Thousands separator ,(カンマ) 桁区切り
Decimal separator .(ピリオド) 小数点区切り
Currency JPY 通貨。半角¥記号はだめそう

※ここ、メモが残ってないので多少違ってるかも。Timeformatはdate()関数の書式だったかも。
※Thousands separatorとDecimal separatorは最初逆になってるので注意。


「Launch Group-Office」まできたらシェルに戻る。まだボタンは押さない。


コンフィグファイルを書き込み不可にする。

sudo chmod a-w /var/www/groupoffice/config.php

インストールディレクトリを消す。
どっかにバックアップ取っといた方がいいかも。

sudo rm -rf /var/www/groupoffice/install

横着するなら

sudo mv /var/www/groupoffice/install /var/www/groupoffice/__install
sudo chmod 000 /var/www/groupoffice/__install

とか。


で、ようやく「Launch Group-Office」をクリック。
動かなかったらエラー表示とか見ながら頑張る。